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ささやかな願望

アジアの音楽業界、コンサート業界での女性の進出が目覚ましいという話は以前したと思う。コンサート業界では肉体作業を強いられる現場が多かったりするのだが、ステージの設営はさておき、いわゆるローディと呼ばれる楽器のセッティングや調整を行うスタッフにも女性の活躍が目立っている。日本でも女性のローディさんが少しずつ増えてきてはいるが、アジアの女性ローディが入れ墨の入った男性ローディに交じって、淡々と黙々と現場仕事をこなしているのを見て、たくましく感じるのだ。これまでコンサート業界では力仕事が多いせいか、男性スタッフの割合が大きかったように思えるのだが、最近は女性の音響・照明エンジニアが勢力を増していて、続いて楽器を扱うローディ、そして舞台監督まで女性がこなすようになっている。これらコンサート業界の各持ち場は、感性に大きく依存する仕事だと思うが、その点では女性の感性が音や照明、楽器調整、そして演出に生かされてきているのは、大変喜ばしいことであると思う。

ただ、寂しいのは公演後の打ち上げ会場である。最近では日本人のバンドメンバーもアルコールを受け付けない人が増えているが、アジアの女性コンサートスタッフは、大抵の場合アルコールを口にしないのだ。ホントに下戸なんだろうか、と疑ったりするが、いくら打ち上げとはいえ無理強いはできないので、その場はウーロン茶で乾杯することになる。

きっと緊張感も保っていたいだろうし、疲労感漂っているなかお酒を飲んで醜態を晒す恐怖心もあるのだろう。いずれにせよ、古風な日本人の一人としては、打ち上げで彼女たちと仲良くなりたいなあなんてちょっとした下心もあり、自分だけ赤ら顔で、周りの女性スタッフがウーロン茶を飲みながらどんどん自分にビールを注いでくれる情景が恥ずかしかったりするわけである。

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