この数週間、大学で講義を行っている。サラリーマン時代、一期一会の立場でゲスト講師として講義をした経験は少なからずあるが、同じ学生達に向き合って体系化された講義を行うのは初の経験で、毎回緊張している。加えてコロナ禍でのオンライン講義ということもあり、ほとんどの学生と対面ではなくPC上での向き合い方となるため、表情が読み取れない難しさもあり、手探り状態である。もともと大学という場所は個人的に好きで、知を得たり、サークルでコミュニケーションを図る場という以外に、キャンパスの雰囲気が好きなのである。学食、購買部、図書館の独特な雰囲気はもちろん、教室の適度に緊張感ある雰囲気は、何かを得ようとする学生達の熱気で少しだけ室温が高かったりする。特に交換留学と企業留学でアメリカの大学にいた2年間は密度の濃い人生の一部だった。あれほど勉強をした時期はなかったんじゃないだろうか。その自分がいま大学生を相手に講義をしている。これも何かの縁だと感じている。自分がかつて学び、社会に活かしてきた学問を、今度は自分が学生に伝え、彼らに活かしてもらえたらと心から思っている。自分の専門分野をいずれ後進に渡したい。著書「日本のアーティストを売り込め」の後段に記載していることだが、後進へバトンをつなぐチャンスを大学で掴んだので、なんとしても若き才能を音楽業界へ送り込みたいと思っている。そのためのステップを踏みしめたばかりである。まだこれからだが、着実にそのための動きを行い、人材育成に邁進したいと思う。新たに自分が大学生になったつもりで、今日も明日も学び続けようと思っている。
inoutworkscom
Comments