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気になる中華圏アーティストの話

最近とても気になるアーティストがいる。それはいそうでいなかった3人の中国人姉妹によるユニット、FloruitShow(福禄寿)だ。ネーミングからして気になった。福禄寿という日本でも馴染みの深い、かつ縁起のいい名前に興味を持った。でユーチューブをみたらエレクトロニックな音色で、3人がステージ正面にポジショニングする佇まいは、まるでイエローマジックオーケストラ(YMO)のようである。で、声を聴いたら透き通るシルキーボイスに、90年代初頭に大ブレイクした北欧の歌姫、エンヤを想起させたのだ。加えて声にエフェクトを掛けているためか、中国語がサウンドとして気にならない。これまでの中華圏アーティストは、中国語の歌詞がハードルとなり日本進出は困難であった。K-POPのように世界進出を目指すべく英語、日本語、中国語が話せる各メンバーを配置する戦略は取ってこなかったのだ。確かに日本語で歌うK-POPアーティストはマーケティング的に彼の地に馴染みやすく、受容度も高いと感じる。だが、一方で本当に伝えたいメッセージや想いは、母国語でないと表現が難しいというのも事実だと思う。以前台湾のスーパーバンド、五月天が日本で公演を行った際全曲の歌詞対訳がスクリーン上に映し出されたが、歌詞の素晴らしさに胸を打たれた。翻訳家のスキルも素晴らしかったのだろうが、バンドのメッセージが心に染みわたったのだ。これは日本語で歌うことはできないと納得した。さて、話を戻そう。FloruitShowの歌詞はエフェクトされたボイスサウンドとして解釈され、言葉が邪魔にならないのだ。これは日本進出の際、有利に働くのではないかと思った。日本人の英語コンプレックスは、英語で歌われるとカッコいいのだが、韓国語でも中国語でも他言語で表現されると拒否反応を起こすように仕組まれている。それをサウンド、ないしは楽器としての声で表現している彼女たちは、言葉を逆手に取っている気がして知能犯だな、と思ってしまう。

そんなわけで、彼女たちを日本に招聘すべくこれからじわじわと仕掛けていきたいと思うので、賛同いただける方はぜひとも応援よろしくお願いします。

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